テニスのダブルスにおける戦術は、2人のペアがチームとして連携し、相手チームとの対戦で勝利を目指すための戦略や戦術のことです。 具体的にはコミュニケーションやポジショニングが該当します。
ダブルスの戦術は、以下のような場合に役立ちます。
- 試合に出てもなかなか勝てない
- 個々のスキルが自分より低いペアに勝てない
- ダブルスで自分が何をすべきかわからない
是非ダブルスの参考にしてみて下さい。
ダブルスのフォーメーション
並行陣
並行陣では、二人が平行に並びネットプレイに重点を置きます。サービスゲームの場合は、サーバーがサービスを打った後、すぐにネットに攻め込んでポジションを取ることもあります。
雁行陣
雁行陣では、一名がネット前、もう一名はベースラインに配置されます。前衛のプレーヤーがネットプレイを担当し、後衛のプレーヤーがストロークなどの役割を果たします。
ツーバック
ツーバックでは、両方のプレーヤーがベースラインに並んで配置されます。相手のサービスが速い場合やがネットプレイに不慣れな場合に有効です。
ダブルスのセオリー
ダブルスのセオリーをいくつかご紹介します。
連携とコミュニケーション
ダブルスでは、状況に応じて瞬時に連携し、コミュニケーションを取る必要があります。相手だけではなくペアの動きを読み、1つのボールに対して連携した動きが求められます。
センターを守る
ダブルスにおいてセンターを守ることは非常に重要です。センターを抜かれると返せる範囲が限定されるので、相手のポーチも受けやすくなってしまいます。そのため、ペアでセンターに来た時の対応方法を決めておきましょう。逆に言えば、相手のセンターを狙うことでゲームを有利に進められる可能性が高まります。狙う側としても、ネットが低く、サイドアウトのリスクがないため狙いやすいコースです。
2人で1つのボールを追わない
2人で1つのボールを追ってしまうと、フォーメーションが崩れて立て直しが難しくなります。ロブやドロップショットは2人で追ってしまいがちですが、ペアで連携してフォーメーションが崩れないように意識しましょう。
ネットでの優位性を確保する
並行陣もしくは雁行陣でプレーする場合は、ネットでの優位性を確保することが重要です。そのためには、的確なボレーやネットでの素早い判断が求められます。
実戦で使えるダブルスの戦術
試合に出ている方であれば「どうやってゲームを進めればいいか分からない」や「やりたいことができずに試合が終わってしまう」といった悩みがある方も多いのではないでしょうか。
ゲームを有利に進めるためのヒントをご紹介します。
弱点を攻める
1セットマッチの場合は最初の1、2ゲームで相手がどんなプレーをするのか、弱点がどこなのかを観察しましょう。
よくある弱点には以下のようなものがあります。
- バックハンドが弱い
- ボレーのポジションが悪い(サービスラインの上に立っているなど)
- 緩いボールへ対応できない
ボールを打っている時だけではなく、打っていない時まで観察すると弱点が見つけやすくなるかもしれません。
センターにボールを集める
センターにボールを集めるのはダブルスの基本でもあります。 特に、相手が並行陣の場合にはセンターが狙いやすいため積極的に狙いましょう。相手が雁行陣の場合には、相手の前衛を気にする必要があるためクロスとセンターを組み合わせて効果的にセンターを使いましょう。
センターを狙う際の注意点としては、センター → センターは相手が待っている可能性が高いということです。 センターに来たボールはセンターに返しやすいですが、その分相手に捕まるリスクも高まります。そのため、クロスを使うなどしてセンターに打ちやすい状況を作りましょう。
また、雁行陣でセンターを攻めることができている場合には、前衛が積極的にポーチにトライしましょう。1ゲームに2ポイントくらい前衛が決められると理想的です。
ロブを活用する
女子ダブルスにおいてロブは効果的なショットです。 ストレートロブやセンターロブなど色々なパターンのロブを使えるとゲームを有利に進められる可能性が高まります。
ストレートを意識させる
ストレートを意識させることでセンターが狙いやすくなったり、ポーチのリスクを軽減させることができます。 そのためには、「ストレートも打てるよ」ということをゲームの中で相手に伝える必要があります。
ストレートはコースが狭く、ネットも高いため打つ方もリスクが高いコースです。リスクを許容できる場面ではストレートを積極的に使いましょう。
おわりに
女子ダブルスの肝は、以下の2点です。
- センターを守る
- 2人で1つのボールを追わない
ダブルスは基本的なセオリーができてないとなかなか勝つことができません。 セオリーを守ることでゲームの質は変わってきます。まずは、この記事で紹介したセオリーや戦術を活用してみて下さい。